
本書には「『創価学会教学要綱』の考察─仏教史の視点から」(2024年発表)と「日蓮本仏論の考察─宮田論文への疑問」(2016年発表、2024年加筆)の二編の論文、更に付論として「『教学要綱』に関する会長宛て書簡」と「男子部教学室『論考』への応答」を収録した。
『創価学会教学要綱』が発刊されたのは2023年だが、その成立の背景には後者で取り上げた日蓮本仏論やアカデミズムを巡る問題がある。それ故、二編の論文が執筆された時点に八年の間隔があるが、内容的には強い関連があるので、二つを合わせて通読すれば問題をより深く理解していただけるものと思う。(本書「はしがき」より)
〈目次より〉
第一部 『創価学会教学要綱』の考察―仏教史の視点から
(1)日蓮は「釈迦仏の使い」か
(2)久遠実成の釈迦仏も迹仏
(3)法華経成立の意義 ほか
付論1 『教学要綱』に関する会長宛て書簡
付論2 男子部教学室「論考」への応答
第二部 日蓮本仏論の考察―宮田論文への疑問
(1)「本門の本尊」があれば日蓮宗各派の信仰にも功徳はあるか
(2)「功徳と罰」を主張することは誤りか
(3)近代仏教学との関連 ほか
【四六版・234ページ】