ローベルト・ヴァルザー(Robert Walser)【著】
新本史斉╱F・ヒンターエーダー=エムデ╱若林 恵【訳】
〈盗賊、フェリクス場面集、ベルン時代の既刊・未完の散文小品から〉
全五巻完結‼
20世紀の最良の知性に愛読されていた、謎めいた、捉えがたい散文作家の魅力の掉尾を飾るベルン時代の一巻。
およそ完全に精神力を保持している作家にとってこそそうであるように、彼にとって重要だったのは可能な限りの明晰さだった、思うに、長篇小説『盗賊』を書いていたとき、彼は、精神の闇の危機こそ、完全な健康においてはありえぬ明敏な観察と言語表現を可能にすると、繰り返し感じていたのではないだろうか。(W・G・ゼーバルト)
【収録作品】
盗賊
フェリクス場面集
ベルン時代の既刊・未刊の散文小品から
セザンヌ思考
あつあつのおかゆ
鉛筆書きスケッチ
新年の一頁
ちょっとした敬意 ほか
ミクログラム
この都市に、いったいどのくらいの人間が住んでいるのかすら知らないけれど
緑蜘蛛
あの頃、ああ、あの頃
ぶらぶらと、つまりは、あてもなく、昨日の午後わたしは
ああ、わたしはここで散文で作文を書いていて ほか
[四六判・380頁]